『高津川』錦織良成監督インタビュー!!

こんにちは!ケイです!

今回のギグリーくんクラブは、2月11日より全国公開、映画『高津川』の錦織良成監督へのインタビューになります!

本作は、ダムが一つもない一級河川、日本一の清流「高津川」の流域に暮らす人々の営みが丁寧に描かれる作品で、監督は、中村麻美、濱田岳主演の『白い船』(02’)、中井貴一主演の『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(10’)等々、数々のヒット作品を手掛けている錦織良成監督。
主演は本作が映画初主演の甲本雅裕さん。ヒロインに戸田菜穂さん。更に大野いとさん、田口浩正さん、高橋長英さん、岡田浩暉さん、奈良岡朋子さん他、たくさんの名優が脇を固めています。

キャスト、地元の有志、スタッフのみんなの想いが詰まった渾身の作品と語る錦織監督に、本作の見どころや撮影中のエピソードなどをお話しいただきました!

ケイ

本作の着想はどういったことから生まれたのですか?

錦織監督:島根は僕のふるさとで、『白い船』(02’)をはじめとする島根が舞台の映画を今まで、数本撮ってきました。着想を得たのは毎年、開催されている「しまね映画塾」で津和野町を訪ねた際に「高津川」がダムの無い日本一の清流だと知ったときです。僕の中では衝撃でした。ふるさとがまったく見えていなかった気がして、ここを舞台に映画を撮りたいと思いました。

ケイ

ダムの無い日本一の清流。これからも今のままを大切に守っていきたいですね。

甲本雅裕さんが映画初主演を務めていますね。キャスティングの経緯があれば教えていただけますか?

錦織監督:僕が監督を務めた『うん、何?』(08‘)という映画の全国キャンペーンで甲本さんとご一緒した際、甲本さんをいつか主演で撮りたいですね、と話していました。今回、脚本を書くにあたり主人公、斎藤学のイメージは甲本さんだ、甲本さんしかいないと思うようになりました。ですから甲本さんを思い描きながら書いた脚本です。(笑)

ケイ

私も拝見させて頂きましたが、甲本さんを地元の人だと間違えるくらい溶け込んでいてびっくりしました!

撮影中の思い出などはございますか?

錦織監督:とにかく撮影地における地元の協力なくして、完成はなかったです。今まで島根で撮ってきた作品もそうですが、参加してくれているみんなが、まるで地元のお祭りを盛り上げているような、撮影自体を心から楽しんでいただいているのが伝わってきてとても和やかな雰囲気が現場にありました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。一番の思い出は俳優部とスタッフや地元のみんなでバーベキューをする機会があり、その席で若手の舞手の方々が「石見神楽」をサプライズで舞ってくれたことです。地元の若者の底力、熱量をリアルに体感でき、言葉にならない感動を貰いました。

ケイ

劇中の「神楽」を舞うシーンは必見ですね!島根の美しい風景が印象的でしたが撮影でこだわったポイントはございますか?

錦織監督:今回の作品もフィルムで撮影していることです。今の時代、4Kなどデジタル撮影が主流ですが、アメリカの大作はフィルムに戻ってきてます。今でもフィルムのクオリティは世界一高く表現としてはデジタルを凌駕しています。アナログで本物の神楽や風景を撮影する為には予算がかかりますが拘りました。撮影スタッフの心意気と情熱に支えられ、日本の良さが堪能できるカット満載です。

ケイ

風景のシーンは実際にそこにいるような感覚になり、とても癒されました。

作品はコロナ禍で2年延期となっていましたが、いよいよ全国公開ですね。

錦織監督:世界的に文化的興行が窮地に陥っている現状は日々のニュースなどで知られています。コロナ禍以前は、そこまで深く考えたことはなかったのですが、映画館の存在意義を改めて考えています。大げさには言えませんが、映画を撮る立場として、やはり映画館でしか味わえない感覚、感動があるのは間違いありません。それを味わっていただきたいですね。風を感じていただけるような感覚は映画館でしか再現できませんので(笑)。是非とも、楽しんで頂ければと思います。

ケイ

本当に同じ思いです。これからも映画を映画館で味わってほしいです。

それでは最後にお客様へメッセージをお願いできますでしょうか。

錦織監督:『高津川』という地味なタイトルで皆さまに観てもらえるのか?と公開前には悩みました。中国地方での先行公開は、お陰様で前評判を覆し沢山のお客様に届けることができました。そして沢山のメッセージも頂きました。全国公開で世代を問わず映画の高揚感を皆様に届けられることを信じています。是非大きなスクリーンで映画の醍醐味を体感して楽しんでいただけましたら幸せです。

ケイ

錦織監督、ありがとうございました!

とっても優しい映画『高津川』は2月11日(金)より新宿バルト9ほか全国順次公開です。ぜひ劇場でご覧ください!

映画公式HP:https://takatsugawa-movie.jp/
映画公式Twitter:https://twitter.com/takatsugawa1129
映画公式Facebook:https://www.facebook.com/CosmeticDna/

<監督プロフィール>

錦織 良成 Nishikori Yoshinari
1962年生まれ、島根県出雲市出身。
1996年、劇場映画『BUGS』で映画監督デビュー。
『守ってあげたい!』(99’)で脚本・監督を担当し一躍注目を集める。 『白い船』(02’/脚本・監督)で同年のミニシアター邦画作品部門の全国興行成績第1位を記録。『たたら侍』(16’/脚本・監督)では第40回モントリオール世界映画祭「ワールドコンペティション部門最優秀芸術賞」を受賞した。主な作品に『ミラクルバナナ』(05’/脚本・監督)、『うん、何?』(08/脚本・監督)、『RAILWAYS -49歳で電車の運転士になった男の物語-』(10’/脚本・監督)、『わさお』(11’/監督)、『渾身 KON-SHIN』(13’/脚本・監督)がある。最新作『高津川』(19’/脚本・監督)の全国公開を控える。

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